京都試作フォーラムを開催
2007年2月23日(金)国立京都国際会館において、「京都試作フォーラム」を開催しました。
フォーラムでは、(株)HIVECのアドバイザー田中昭文氏をお招きし、「世界の自動車開発拠点を目指した挑戦」と題して、広島県において、自動車のデザイン開発専門会社として、地域企業が連携、融合して、大きな成果を上げられている先進的な取組みについて講演いただくとともに、京都試作センター(株)の現況及び各試作グループのセールスポイントについてプレゼンテーションを行いました。
日 時:2007年2月23日(金)13:30〜16:00
場 所:国立京都国際会館本館 ルームB1(京都市左京区宝ヶ池)
参加費:無料
内 容:●講演
テーマ:「世界の自動車開発拠点を目指した挑戦」
講 師:株式会社HIVEC(広島自動車デザイン開発会社)
アドバイザー 田中 昭文 氏

※講演要旨をご覧ください
●プレゼンテーション
◆京都試作センター事業の現況
京都試作センター(株) 代表取締役副社長 増田清

◆各試作グループのプレゼンテーション
北京都大物試作ネットワーク

・京都制御ソフト工場

・アルフォース京都

・京都せんい試作ねっと

・京都でんき試作ねっと

・京都試作ネット

【講演要旨】
テーマ:世界の自動車開発拠点を目指した挑戦
講師 :田中 昭文氏(株式会社HIVEC アドバイザー)
<講師プロフィール>
1942年(昭和17年) 兵庫県生まれ
1964年(昭和39年) 神戸大学 工学部卒業
同年 東洋工業株式会社(現 マツダ株式会社)入社
1987年(昭和62年) 生産管理部担当部長
1992年(平成 4年) 安全衛生管理部担当部長
1993年(平成 5年) 人事本部副本部長兼務
1997年(平成 9年) マツダ部品工業株式会社 常務取締役就任
1999年(平成11年) 同 代表取締役社長就任
2003年(平成15年) 株式会社HIVEC アドバイザー就任 現在に至る
●設立の背景
当社のある広島県は国際都市として知られ、マツダを中心とした優れた自動車技術を持つ関連企業が数多く集積しており、自動車産業の調子が地元産業の景気を大きく左右します。
当社設立の話が上がったのは、今から6年前で、ちょうどバブルがはじけた後の長い長い平成不況の時代でした。広島市長が「広島の産業の強みを世界にアピールし、世界中から仕事を集めよう」と呼びかけて、広島の強みである「自動車の開発・製造技術」を活かし、自動車関連会社が連携して、仕事を一括請け負うゼネコンのような会社を作ろうと、2001年10月に新会社の設立準備ための研究会を発足しました。
研究会では、マーケティングと設立趣意書、あるいは事業計画書等を検討し、特に、会社のビジョンづくりに時間がかかりました。その間、ヨーロッパや韓国、中国などの同業者のマーケティングも行いました。
2003年5月に地元の自動車関連企業の優れたユニット・部品レベルの技術と人的資源を結集することで、自動車メーカーが求めている開発を一括受注することが可能な事業体として当社が設立されました。
当社は16社の協賛企業と協業しています。デザインから量産ツーリング準備まで一貫して受託できるよう、プロセス毎に協賛企業を選びました。当社内部の機能はデザイン・設計及び開発全体のプロモーションが中心ですので、それ以外の板金、プレス、機械、内装、プラスチックなどの生産機能はメーカーに協賛企業として参画してもらい、また海外展開のために商社にも入っていただきました。
当社の急成長の理由の一つは、これら16社がうまく連携し、全体の仕事はもちろん、ドア−、インパネ等の一部分から自動車全体のモデリングからマイナーチェンジまで請け負えるところにあります。
社長には、日本でも有数の試作会社の社長から相談役になられた方にお願いしました。自動車の開発事業に大きな夢を持っておられる方で、地元ではカリスマ的な存在です。企業の立ち上がり時には、社長はサラリーマン社長でなく、カリスマ社長が必要だと思っていましたから。そういう意味では当社発展にはこの社長の存在は極めて大きい思っています。
●会社の沿革
03年5月20日、協賛企業の16社からも出資していただき、資本金2400万円でスタートしました。昨年3月にはには3500株の新株を発行し1億7500万円の資金調達をいたしました。役員・社員が中心となって3500株があっという間に売れました。この結果、当社の従業員・役員自身が自分達の会社、HIVECに対する期待と自信が大きいことがわかりました。
また同時に、設計技術者を60歳で手放すのはもったいないということから、65歳定年制度を採用しました。11月には、日本の技術者だけではとても足りないので、韓国のSESという会社とコラボレーションの契約をしました。
05年2月には中国の会社と技術サービス契約を結び、3月には同業者であるイタリアのブルーエンジニアリンググループとコラボレーション業務の提携、06年8月にはロシア企業と提携するなど、国際的な活動も進めました。そして、12月にデザインセンター建設を決定しました。
06年1月、従業員持株会を発足。現在、持株会には75%の社員が入っています。この持株会によって、企業に対する経営参画意識が高まっていくのではないかと思っています。
●市場動向
中国、マレーシア、インドネシア、ロシアなどの自動車後進国は、これまで先進国で開発された既製品の自動車を作っていましたが、これからは自国のオリジナルな自動車づくりのニーズが高まってきます。ところが、自動車後進国は開発技術が未だ十分育っていません。一方、先進の自動車会社は環境・安全に重点を置くようになっており、商品の短命化も相まって、開発のリソースがいくらあっても足りない状況になってきています。
また、現在、ヨーロッパにはすでに6000人規模で同業者がありますが、アジアを拠点としている開発会社はありませんので、そこに眼をつけてアウトソーシングに対応していこうと思っています
●HIVECの特徴
日本の自動車技術は世界でトップレベルです。当社には、そういう優れた日本の自動車メーカーの開発を経験した技術者集団が居ますから、短期開発ができ、高品質の車を低コストで製造できます。そしてなにより当社は、意思決定などが早く小回りがきくことも強みです。
また、16社の協賛企業との協働作業によってデザインから量産ツーリング準備まで何でも引き受けられ、効率的開発により短期・低コストが実現しました。
●実績
当社の売上は03年の一期目が7千万円。二期が3億円、三期が7億円となっており、今期は12.6億円にチャレンジしています。二期で単半期黒字になり、三期で累積損失を解消しました。
売上の内訳は、一期目は広島地区の仕事が60%以上を占めていましたが、三期になると、関東、関西が中心になってきています。海外からの仕事も徐々に増え、四期目は15%を目指しています。
●ビジネスの流れ
当社では、お客様からデザインや設計、商品性、信頼性目標、コスト、重量質目標などの必要条件をいただいて、デザインと設計を行い、ものづくりが必要となる場合は協賛会社に依頼しますが、あくまでCAD、図面、データ、あるいは試作品および生産要具は当社からお客さまに納入します。
また、お客様の開発部門へ人材を派遣し、お客様との人脈づくりと開発の進め方に対する理解を深めています。そのために人材派遣業の認可も取得しております。
●事業ロードマップ
第一ステージは一期、二期で、従業員は40人程度。人、もの、金の流れといったような会社としての基盤づくり。
第二ステージの三期、四期は、従業員も100人前後で自前のデザインセンターを建設し、世界に向けて仕事をして行くこという目標も実現しました。
そして、第三ステージとなる来期からは開発途上国に対し、商品開発から、量産準備までの仕事を受注することが目標です。海外の仕事をする場合、株式上場というのが大変重要になってきます。上場企業というだけで信用してもらえます。優秀な人材を獲得するためにも株式上場が必要だと思っています。
●デザインセンターの狙いと特徴
HIVECの目指す「世界の自動車開発会社」となるためには、お客様からの信頼の確保、優秀な技術者の確保、技術の蓄積、開発の環境の整備が課題となります。そして、これらを実現には「デザイン事業にふさわしいデザインセンターの設立」が肝要と考えました。
当センターは広島県開発のテクノタウン東広島に建設しました。センターのPR効果により、当社の企業イメージ、知名度が向上するとともに、技術者のための充実した開発環境とリフレッシュ空間の確保に努めました。
当センターのセキュリティシステムは、入館から用紙出力まで社員証を使用した個人識別管理を行っています。様々なクライアントの仕事をしながらも機密保持が図れるシステムで、約7億の建築費のうち、約1億円がセキュリティー関連の費用です。
●スローガンとロゴ
当社は[Yes,We Can ! ]をスローガンに、行動することを大切にし、グローバルカンパニーとしてHIVECの高い技術と信頼が全世界に浸透し、世界中に受け入れられるよう頑張ってゆきます。
そして、私は、いつも「ACTION」を胸に取り組んでいます。
「ACTION 行動」には、下記の意味を含んでいます。
A dvance 進歩、前進
C reate 創意工夫
T eam work チームワーク
I ndependent 自立、プロ意識
O nly one オンリーワンを目指そう
N et work ネットワーク
※クリエイティブ京都M&T2007年4月号掲載
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